葬祭扶助とは|生活保護の方の火葬費用・申請の流れと注意点
最終更新: 2026年7月7日
葬祭扶助は、生活保護法に基づいて葬祭(火葬)の費用を自治体が支給する制度です。 対象になるのは、直葬(火葬のみ)に必要な実費——搬送・安置・棺・火葬料金・骨壺など。 そして何より大切な注意点はひとつ、「必ず火葬を行う前に福祉事務所へ申請する」ことです。 火葬後の事後申請は原則認められません。
誰が対象になるか
- 葬祭を行う遺族が生活保護を受けているなど、費用を出せない場合
- 故人に扶養義務者がおらず、遺留金品では葬祭費用が足りない場合(家主・民生委員などが葬祭を行うケース)
「故人が生活保護受給者だったから自動的に出る」制度ではなく、葬祭を行う人の支払い能力で判断されるのがポイントです。 遺族に支払い能力がある場合は対象外となります。
支給される内容と水準
- 対象: 搬送・安置(ドライアイス)・棺・火葬料金・骨壺など、火葬式(直葬)の実費
- 水準: 大人でおおむね20万円前後を上限とする自治体が多い(基準額は年度・地域により異なります)
- 通夜・告別式・祭壇・僧侶へのお布施などは対象外(=形式は直葬になります)
- 支給は多くの場合、福祉事務所から葬儀社へ直接支払われます(立て替え不要)
なお、公営火葬場には生活保護受給者向けの減免があるほか、民営でも減額区分を設けている施設があります (例: 東京博善の「減額・公費」39,000円区分。支払いの解説)。
申請の流れ
- 火葬の手配を確定する前に、福祉事務所(自治体の生活支援課等)へ連絡——「葬祭扶助を利用したい」と伝える
- 葬儀社にも「葬祭扶助での火葬式」と最初に伝える——対応に慣れた葬儀社は見積もりを扶助基準内で組んでくれます
- 申請者は葬祭を行う人(喪主)。申請先は原則、申請者の住所地の福祉事務所
- 決定後に火葬式を実施 → 費用は福祉事務所から葬儀社へ支払い
身寄りがない方が亡くなった場合
葬祭を行う人が誰もいない場合は、墓地埋葬法第9条に基づき死亡地の自治体が火葬を行います。 費用は遺留金から充当され、不足分は自治体が負担します。お骨は自治体が一定期間保管したのち合祀されるのが一般的です。 「引き取りを迷っている」段階であれば、後の心情も考えて自治体・福祉事務所とよく相談してください。
よくある質問
- Q. 火葬してしまった後から申請できる?
- 原則できません。葬祭扶助は「支払い能力がないこと」を事前に確認する制度のため、必ず火葬前に福祉事務所へ相談してください。
- Q. 香典を受け取ったら支給されない?
- 香典は収入認定されないのが一般的ですが、判断は福祉事務所によります。正直に相談するのが安全です。
- Q. 戒名やお経はつけられる?
- 扶助の対象外です。自己負担でお願いする分には制限されませんが、支払い能力の判断に影響しうるため福祉事務所に確認を。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。支給の可否・基準額は自治体の福祉事務所の判断によります。必ず事前にご相談ください。